8.消費者センターは働き者



とりあえず熊本県の消費生活センターに電話してみることにしました。
電話に出た職員の方は女性で、非常に丁寧な対応でした。
こちらのこれまでの顛末をかいつまんで話すと、最初に一言
「それは悪質なケースですね」
「悪質なんですか(そうだと思ってたけど)」
「最近増えているんですよね、全国的にも熊本でも、こういうトラブルが。とりあえずそのようなお金は支払う必要はありません。毅然とした対応が大切です。バブルがはじけてこっち、本来大家が出すべき金を惜しんで賃借人に請求するケースが急増しているんです」
「それはそうなんですが、このまま放っておくと、こちらは債務者のまま、ということになっちゃいますよね」
「ですから、まず支払う必要がないことを相手に伝える必要がありますね」
「それが取り付く島もないんですよ」
「内容証明は出しましたか」
「内容証明?」
「出した内容が記録として残ります。裁判の時も証拠になります」
「裁判ですか(何か話が大きくなってきたな)。裁判というと、最近話題の少額訴訟ってやつですか」
「いえ、少額訴訟である必要はありません。あれは一回限りで判決ですから、あなたのように遠隔地だと事前の打ち合わせとか、いろいろ不便ですし、通常の裁判で十分です。まあ、とりあえずそう言った形で話し合われてみることをお勧めします」
と、こういう内容でした。

この中の少額訴訟に関する部分ですが、少額訴訟より通常訴訟を進めた彼女のアドバイスは実に的確だったと思います。少額訴訟は手軽ということでクローズアップされていますが、実はかなりいろいろな問題を含んでいると思います。このことは後でまた触れます。

それはともかく、全体としてここでの相談は非常に役に立ちました。<>BR 最近、地方自治体は財政逼迫を理由に、消費者センターを閉鎖する動きが出ています(すでに神奈川では閉鎖が決まっています)。
閉鎖しても、たとえばこのような賃貸トラブルなら都道府県庁にも相談窓口があるからというのが合理化の理由だそうですが、まったく理由になっていません。
たとえば熊本県の場合、広報課にたずねましたが、分譲や建築に関する不動産トラブルは受け付けていますが、このような賃貸トラブルを受け付ける窓口はありません。
このような自治体が多くある以上、消費者センターを廃止するというのは、合理化に名を借りた消費者行政の切り捨てでしょう。
また、役場の窓口で、この時私が体験したような親身なアドバイスがもらえるとはとても思えませんし。

さて、私はこの時初めて内容証明郵便という存在を知った、という訳ではありません。
よく週刊誌なんかに有名人がトラブルに巻き込まれて内容証明を出した出された、なんて話が載ってますよね。
しかし、自分で出すとなると話は別です。
まず書式から判りません。
インターネットで調べてみると、結構あるものです。
次のような内容証明郵便を出しました。
(続く)